鉄人の大学入試英語攻略法56<英語力は国語力>

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教育界では、かなり以前から国語力の低下が嘆かれています。今回は英語力と国語力の話です。

国語力のない子供が成長すると自力でレポートもかけない大学生になり、報告書をまとめられない新入社員になるため、社会への影響も軽視出来ません。しかし、国語力と一言で言っても様々な能力を含みます。常識力、要約力、読解力等等、挙げればきりがありません。

ただ、教育界が現在一番求めているのは文章の「要約力」だと思います。聞いた事、読んだ内容などを自分の言葉で表現する能力です。

さて、この「要約力」は、英語力を向上させるためにも重要です。リスニング、英文読解では聞いた内容、読んだ内容を全てそのまま暗記することは不可能だからです。

自分の言葉で置き換えて覚え易い形で整理して頭の中に残すのが普通です。ただ、残念なことに学校の英文解釈では「ただ英文を日本語に訳す」作業に終始していたり(教科書ガイドを丸写しをする学生が多いです)、英文法の授業では機械的に英文の書き換え公式を暗記している場合がほとんどであることは、長年の塾講師経験からよく分かっています。

そこで、志学高等部の英語の授業では、英文を訳した後で、「それはつまりどういう意味?」と自分の言葉で言い換えてもらう練習をしばしば行っています。例えば、数日前、高校1年生のOさんが、「比較が分からないんです」と言いながら、質問をして着ました。ただ、よく

聞いてみるとOさんは、「比較」の文法的知識が不足しているわけではなく、「要約力」の基礎である「言葉の置き換え」が出来ていないだけだということが分かりました。以下がそのやりとりの内容です。

Oさん:He has more free time that I. を I am ( ) than he. に書き換えたいんですけど、どうしたら良いんでしょう?

私:「比較」だよね。「ひたすら英文法」で1回は学習したはずだよ。君はどうしたら良いと思うんだい?
Oさん:最初の文は he「彼」」で始まっていて、I「私」より、more free time「より多い自由時間」があるのは分かるんです。

私:その通り、「彼は私より自由時間が多い」で良いよ。
Oさん:二つ目の文は I「私」で始まっていて、he「彼」で終わっていますよね。ということは、逆になっているから、more「より多い」の反対の less「より少ない」だと思うんですけど、そうしたら、free time「自由時間」が入らなくなってしまうんです。

私:うーん、どうも君は書き換えのテクニックに走っているようだね。確かに more の反対は less で良いんだけど、この問題はそういった書き換え公式をそのまま使うような機械的書き換えを要求しているわけではないんだ。
Oさん:えっ、どういうことですか?

私:more の反対が less であることを知っているのは文法知識的には評価できるけど、ここの書き換えは、意味的な書き換えだから、それではダメなんだよ。君がさっき和訳した「彼は私より自由時間が多い」を「私は彼より~だ」と言い換えた場合、「~」に何が入るかを考える必要がある。
Oさん:うーん、「私は彼より自由時間が少ない」ですよね。

私:そうそう。じゃ、「自由時間が少ない」ってどういうこと?
Oさん:「忙しい」んですか?
私:その通りだよ。「忙しい」は英語で?
Oさん:busy ですよね。あ、そうか、後に than he「彼より」が続いているから、busier っていう比較級にしたら良いんですね。へー、難しいなあ。

私:何を言っているんだい。君は機械的な書き換えにばかり慣れていて、国語的な「言い換え」に慣れていないだけなんだ。「比較」ではこの手の「言い換え」が多いんだよ。まず、日本語に訳してみて、意味を理解した後で、「言い換え」る。そして、「言い換え」た日本語を英語に直すんだ。その練習をたくさんすると良い。この「言い換え」に慣れると、「要約力」の基礎がついて国語力の向上にもつながるはずだ。
Oさん:国語力もアップしますか?それなら、問題をたくさん下さい!

何事も「最初の一歩」が肝心ではないでしょうか?「言い換え」は「要約力」の基礎になりますので、「比較」に限らず、英文和訳の際には必ず数種類の別訳の仕方も教えるようにしています。

自著の「ひたすら書き換え」も塾生たちの「国語力不足」への一助になればと思ったのが、執筆の動機の一つです。始めは、「ひたすら英文法」に出てくる英文を徹底的に覚えてもらうつもりで著しましたが、書いていく内に、英語の学習を「国語力アップにつなげたい」と思うようになりました。

そのため、「ひたすら書き換え」は機械的なテクニックを磨くのではなく、意味を考えなければ書き換えられない問題ばかりになっています。「ひたすら英文法」で英文法の知識を定着させた後は、その知識を使って「書き換え」イコール「言い換え」を練習し、国語力と英文解釈の両方をアップさせて欲しいと思っています。

鉄人

ひたすら英文法」をご利用いただきありがとうございます。皆様からのご意見は非常に参考になります。

英語の基礎は英文法にあります。「ひたすら英文法」(志学ゼミ出版部)は現場の声から生まれた大学入試の英文法解説書です。洛南高校をはじめ多くの学校、塾でも採用されています。資料請求はお気軽に。(出版部より)

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